新井の「判断」が良かったら、阪神は勝っていた

　９月１日の中日×阪神戦、阪神の攻撃は９回表同点、ワンアウト２塁で、阪神・小宮山がサードゴロを打って、中日・森野が、２塁新井を牽制してから１塁へ投球したところ、これを、中日・ブランコが大きくエラー、ボールはファールグランドを転々として……

　ラジオ中継を聴いていた私は、よし！これで１点――と思ったが、アナウンサーが、ボールの行くへは叫んでいるが、新井がホームを踏んだことはしゃべらない。新井は２塁にいたのだから、１塁守備が大きくエラーしたら、当然３塁を回って、ホームインだ。しかし、新井は、なんと３塁止まりだった。

　このプレーを、解説の木俣氏は、新井がボールを見ていなかったと指摘していた。サードゴロで２塁に戻るのは当然として、その後、ボールの送球される１塁を見ていて、大きく後逸したと見たら、すかさず、３塁を回って、ホームを目指さなければならないというわけだ。

　これで、阪神は、勝ち越しを逃した。

　この日、新井は、定位置の４番から７番に降格された。首脳陣の新井への叱咤激励だろう。で、この日新井は、走者を置いて、タイムリーを打ち、２打点を挙げる活躍をしたのだが、しかし、やはり、７番に降格されても、勝負のポイントには、不思議に絡んでくる。

　この１塁エラーで、２塁から生還できず、阪神は、同点どまり。９回裏は、藤川が、期待通りの投球をして、何とか引き分けに持ち込んだ。

　試合自体は、負け試合濃厚のところを同点に追いつき、引き分けたのだから、儲けものではあったが、首位を狙うには、こういう新井のような「目に見ないエラー」をしていたら、ダメなのだ。

　これで、対中日３連戦は１勝１敗１分けの、まったくの五分で、勝負なし。

　これで、明日からの横浜戦は１敗もできない状況になるはずだったが、台風１２号の直撃で、甲子園は、金・土と、雨のようだ。日曜日に辛うじてやれるかどうかになるが、これで、阪神の、１０月の振り替え戦の日程はますます過密になってきて、不利な条件になりつつある。