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雑木林の伐採と開発

 いつもウォーキング、ジョギングしているコースの中に、約500メートルくらいにわたって、細い農道のようなところがある。

 両がわに野菜畑があったり、雑木林があったり、空き地があったりと、40~50年前はこのあたり一帯が純農村だったことを偲ばせる名残なのだが、以前、道端から、遠くの雑木林のほうに狸を見たのも、この農道の途中だった。

 その農道の途中にあった雑木林の一角が、道の片側、間口約100メートルほど・奥行き約50メートルほど、完全に伐採されて、更地になっていった。

 ウォーキングしているときは、やはり、雑木林の端を歩くのは、自動車道路の歩道を歩くよりはずっと気持ちのよいものだったのだが、その雑木林が伐採されてしまうと言うのは、たとえ、一部ではあっても、一抹の寂しさが漂う。

 農道はちょうど小さな丘の峠道のような感じで通っているので、両がわの畑や雑木林の辺りは道から少し低く流れ下る形に広がっているのだが、そこに重機が入って、立ち木を伐採し、根を掘り起こして、まったくのむき出しの更地してしまった。それが昨年の12月頃のことだった。
 その後、しばらく放置されていたのだが、最近になって、その農道から低地に向かった更地になっているあたり一帯に、盛り土をする工事が始まり、あれよあれよという間に、農道とほぼ同じ高さの「敷地」が出来てくるようになった。
 ダンプカーで赤土を運んできてはそれを降ろしてブルドーザーで広げ平らにしてゆくという作業が繰り返されていた。

 それで、いまは、広い更地に重機があちこちに置き去りにされたまま、工事はいったん休止しているのだが、そうなると、やはり、おかしなもので、雑木林が伐採されたときには、「こんなに自然を破壊して、いったい何をつくろうっていうんだ」という、嘆かわしい気分になったものだが、それが、工事が中断して、先に進まないとなってくると、「はて、ここに一体どんな、建物(工場? 倉庫?)ができるのだろう。早く工事が始まらないかな」などと、新しいもの見たさの野次馬根性が顔を覗かせてくる。

 熱帯雨林の森林破壊と言うような大規模なものでは到底、さらさらないのだが、それでも、身近な環境の破壊にも、いつも通いなれている道端だけに、心痛めるところがあったものだが、他方で、それまでは雑木林としていわば何も人の手が入っていなかったところに、おそらく、工場か倉庫か店舗等々が出来る=開発されるという新しい事態も、それはそれで、人間の新しい活力を感じさせるもので、「早くできないかなー」などという、期待感ももたらしてくる。

 この、自然破壊への怒りと新たな開発への期待という相反する気持ちが、一緒に同居しているということに、我ながら非常に複雑な感慨をもたらした。

 熱帯雨林の破壊・開発と言うのは、おそらく世界的な大資本などが主導して有無を言わさずごり押しされているのだろうが、それによって、食料増産等がもたらされはするであろうから、これまた、最近の世界的な食糧需要の増大に合わせて、やむを得ない・痛し痒しのところがあるのかも知れない。いや、そこまで、森林破壊しなくても、農地の効率的な利用によって大量増産を図るべきだという考え方も、当然あるだろう。

 そんなこんなで、人と自然との共生は、狭い地域でもグローバルに見ても、なかなか難しい問題であると、日々のウォーキング・ジョギングの道端での出来事から、ふと、思ったことだった。
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